看護師1年目は、初めての一人暮らしや初めて社会人と慣れない環境に不安を抱く方も多いと思います。そんな中で慣れない看護業務が続き、毎日のように先輩看護師から指導される日が続き、辛いと思うことも多いのではないでしょうか。今回は、1年目看護師が先輩看護師からよく聞かれることとその時の1年目看護師の回答例をまとめてみました。
初めて受け持つ肺炎の患者さんでの情報取集編
先輩看護師からの質問
Q:カルテから患者さんのどんな情報をとった?
1年目看護師の回答例
A:田中 〇様、87歳、男性
肺炎のため、3日前より入院しています。現在、点滴にて抗菌薬治療を行っています。現在のバイタルサインは、体温は少し微熱気味でSPOは異常です。呼吸回数は少し多いです。発熱があるので気を付けていきます。
なぜ先輩看護師はこの質問をしたの?
- カルテから必要な情報をとれるようになってほしいから
- カルテから情報を取った情報を整理し、必要な観察項目と今日実施する看護について理解してほしいから
ベストアンサー
A:田中 〇様、87歳、男性の患者さんです。既往歴に肺炎があります。意識は清明で疎通も可能です。入院前からADLも自立しています。今回は細菌性肺炎の治療のため入院しています。胸部レントゲンにて左肺上葉に肺炎の像、血液データにて炎症、酸素飽和度の低下と呼吸困難感が見られたため入院し、3日前より点滴にて1日3回抗菌薬投与を行い、酸素2Lを経鼻カニューレにて投与し、治療を行っています。また、今朝の血液データではCRP5.6、白血球9,600/μLとまだ炎症が続いています。体温37度後半から38度で推移しているので、必要時体温38度以上で使用可能な頓服薬の解熱剤を使用します。呼吸状態については、経鼻カニューレにて酸素2L投与し、SPO2 96~98%、呼吸回数20回前後で推移しています。安静時も労作時も呼吸困難感なく過ごされています。時折、左肺上葉に副雑音が聴取されるようですが、自己で排痰が可能なので経過を観察していきます。SPO296%以上で酸素を1Lずつ減量する指示があるので、呼吸困難なく過ごせていれば酸素の離脱を行っていきます。食事はむせることなく全量摂取され、水分も1日2L飲水できています。
情報収集のポイント
- カルテから情報収集をするときは何が必要な情報を見極める必要があります。
- 治療の流れなど時系列で情報を理解することも重要です。
- 情報収集用のフォーマットを作成しておくといいでしょう。
必要な情報
- 氏名、年齢、既往歴、内服薬、社会的情報(入院前の日常生活の情報等)
- 現状の疾患
- 疾患に対する治療内容
- CTやレントゲンなどの画像データ、検査データ、意識レベル、バイタルサイン
- 必要な観察項目や看護
今回の事例ではこんな質問もされるかも…
その他には、下記のような質問がでてくるでしょう。
- 検査結果やバイタルサインの値は正常なの?
- 細菌性肺炎の治療は何をするの?
- 観察や看護をする根拠はなに?
最後に
はじめから必要な情報をすべて理解できている看護師はいません。何が重要な情報なのかを見極めてることができるように毎日コツコツと学んでいきましょう。